君の『好き』【完】
本当の好き
本気の好き
【鈴の海に対する気持ちは、バスケ部の時の好きって気持ちよりも、
ずっと深いんだと、俺は思うよ】
あの時のお兄ちゃんの言葉を思い出した。
深いっていう言葉の意味が、
なんか......わかった気がした。
心が温かくなるのは、
海くんに触れたいと思うのは、
私が、海くんを本気で好きだから.......
そう思ったら、やっと胸に引っかかっているものが取れた。
「沙希、私......海くんが好き」
沙希はうんうんと何度も頷いた。
「その気持ち、大事にしなよ」
「うん......大事にする。絶対に」
この気持ちが、本当の好きだとわかったら、
もう何も迷うことも揺れることもない。
私はずっと海くんのことが、本当に好きだったんだ。