君の『好き』【完】







2学期終業式、そして今日はクリスマスイブ。


今日は午後、海くんは部活だから、私は先に帰って、


家の前に着いたらメールをもらうことになっている。



マフラーは編み終わった。


間に合ってよかった。今日夜海くんに渡せる......





終業式もHRも終わり、

放課後、


松葉杖を吉井くんに渡すと、廊下に海くんが見えてすぐに駆け寄った。




「メール待ってるね」



海くんは少し俯いてから顔を上げた。



「わかった」




「部活頑張ってね」




「うん」




海くんに手を振ると、海くんは小さく頷いて階段を下りて行った。





教室に戻り、リュックを背負うと、

「今日は帰んの?」と、吉井くんが聞いてきた。




「うん」



「ちょっと、話さね?」



「話?」




「うん、真剣な話」


真剣......


私はリュックをまた下ろして椅子に座った。



「わかった」









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