君の『好き』【完】
えっ......
怒っていると思ったから、プレゼントを差し出されて、
少し驚いた。
「ありがとう......開けてもいい?」
「うん」
そっとリボンをはずして袋の中を取り出すと、
白い毛糸の手袋が出てきた。
「かわいい......」
手袋をつけてみると、冷えていた手がほんわりと暖かくなった。
「宇崎は手が冷たいから」
海くん......
「ありがとう.....海くん。
ちょっと待ってて、私も渡したいものがあるから」
私は急いで家の中に入り、部屋からマフラーの入った袋を持つと、
ダッシュで海くんの元に戻った。
「これ.....」
海くんはそっと受け取り、、袋を開けて中からマフラーを取り出した。
「編んだの?」
「うん」
海くんはそのマフラーを袋の中にしまった。
「これは、受け取れない」
えっ.......
「俺だけのことを想って編んだものじゃないだろ。
これは、受け取れない」