君の『好き』【完】
冬休みは、何もする気が起きず、
ずっとゴロゴロと部屋にこもっていた。
海くんのことを思い出しては、涙をこぼして......
でもその時気づいた。
私は海くんを諦める方法よりも、ずっと好きでいたいって思っている。
嫌われてしまったけど、私は海くんを好きでいたい。
片思いでもいい、私は海くんを好きでいる。
ベッドに横になりながら、長く伸びた髪をつまんだ。
もう、この髪を切ろう。
海くん以外の人に触られた髪は、もういらない。
私は次の日美容院に行き、
胸まであった髪を、思い切ってショートにした。
年が明け、ダラダラとした冬休みはあっという間に終わり、
3学期が始まった。
海くんは朝練に行き、私は普段通りの時間に登校することにした。
そして席替えをして、
私は窓際の一番前。
吉井くんは廊下側の後ろから2番目と、席が離れた。
席が離れたせいか、吉井くんとはもう話さなくなった。
吉井くんはギプスが外れて、部活に復帰したようだった。
でももう声はかけない。
もう優柔不断な態度は取らない。
私は全部を真っさらにして、一からやり直す。
そう決めていた。
全部を真っさらにしても、どうしても消えなかった想いは.......
「海くん」