君の『好き』【完】
私は剣道の大会は終わったら、もう一度海くんと話をしようと決めた。
大会前は、集中したいだろうし、
これ以上迷惑をかけたらいけないと思ったから。
大会は2月10日。
それまで毎日部活に行く前、「頑張ってね」と声をかけ続けた。
それ以上は話さない。
私が声をかけると、海くんはいつも優しく微笑んで頷いてくれた。
時々廊下で女の子が海くんに話しかけているのを見かけるようになり、
腕を触ったり、しがみついたりする子もいて、
胸が苦しくなった。
でも、私が海くんにしたことを思えば、こんなことで傷ついている私は、
自分勝手すぎると思った。
もう彼女じゃないんだし、海くんには海くんの.......
やばい、涙が出てきた。
私は目をごしごしとこすって、教室に戻った。
きっともっと海くんは、苦しかったと思う。
私はなんてひどいことをしていたんだろうと、
今更だけど、ものすごく反省した。