君の『好き』【完】
類の弟......
類とそっくりな、黒目がちの瞳で、
じっと見つめられながらそう言われると、
涙がこぼれ落ちた。
小さな顔も、
綺麗な二重の大きな瞳も、
高い鼻も、
綺麗な白い肌も、
全部、
全部......類と同じで.....
目の前にいるのは、類じゃないと言われても、
類にしか見えない.......
「愛莉、俺は類じゃない」
真剣な表情で、きっぱりとそう言われて、
一気に悲しみが襲ってきた。
「わかってる。
わかってるけど......」
「幼なじみとして、
類の彼女として、
愛莉の気持ちの整理がつくまで、そばにいるよ」
そんな......
「ずっと瞬にそばにいてほしい。
付き合おう、私たち。
瞬を誰にも渡したくない。
類もわかってくれる。
瞬が私の彼氏になれば、類だって.....」
「本気で言ってんの?それ」
瞬は眉間にしわを寄せた。
「本気だよ......私」
瞬は私の手首を掴んでドアの方へと引っ張った。
そして、ドアを開けると、手首を離して、
背中を押した。
「少し、頭を冷やしたほうがいい。
今日は、帰れ」
ぐっとまた背中を押されて、部屋から出されると、
バタンとドアを閉められた。
+++++愛莉side end+++++