君の『好き』【完】
よかった......受け取ってくれた。
「もらってくれて、ありがとう」
海くんはくるくるっとマフラーを自分の首に巻いて、
鼻までマフラーで顔を隠した。
「あったけー」
マフラーの上から見える海くんの目がかわいく笑った。
私は片方外していた手袋をコートのポケットから取り出して、
手袋をはめた両手を海くんの前に広げて見せた。
「同じ白だね」
「あはははっ、そうだな」
海くんに広げた両手を、そのまま海くんの背中に回して、
ぎゅっと抱きつくと、
海くんも抱きしめてくれて、私の頭を優しく撫でた。
「明日一日休みだから、どっか行く?」
思いがけない海くんの言葉に、がばっと胸から顔を上げて海くんの顔を見た。
「いいの?」
海くんは優しく目を細めて、私を見つめた。
「一日ずっと一緒にいよう」
一日ずっと......初めてのデート.......
「うん!!」
私はまたぎゅっと海くんに抱きついた。