君の『好き』【完】
【少し頭を冷やせ】
昨日、部屋から出されて、
朝、もしかして待っていてくれないかも......と不安になってしまい、
今朝は私から瞬を迎えに行った。
駅までの道のり、
瞬は、何も話さなかった。
何も話さず別れてしまったから、
放課後、
私は駅で瞬を待ち伏せすることにした。
しばらく東口のエスカレーター前で待っていたら、
瞬が歩いてくるのが見えた。
駆け寄って瞬の前に立つと、
瞬は立ち止まった。
「瞬、一緒に帰ろ」
そう言うと、瞬は下を向いて、
また顔を上げると私の顔を見ないで、
「わかった」と答えた。
そして、エスカレーターに乗った瞬の後ろに私も乗ると、
手すりに乗せた瞬の左手に目が止まった。
.......ハートの絆創膏
なに、これ.......