君の『好き』【完】
「瞬.....」
私は泣き顔のまま瞬を見上げた。
「俺は、類の代わりにはなれないし、
なりたくない」
瞬の言葉が胸に突き刺さった。
「愛莉の気持ちが落ち着くまで、そばにいようと思ったけど、
それは間違いだったことに気づいたよ。
ちゃんと、類を思い出して、
類の気持ちを考えてやれよ。
付き合ってたんだろ?
類が好きだったんだろ?
俺じゃなかったはずだろ.......
ちゃんと思い出せよ」
瞬の目を見ることができなくなってしまい、
下を向いた。
「俺だって、類が死んで辛いんだよ......」
瞬はそう言うと、くるっと背中を向けて西口の方へと歩きだした。
追いかけることができなかった。
瞬の言うとおりだ。
私は瞬じゃない、
類が好きだったんだ。
一度も瞬に恋愛感情を持ったことなんかなかった。
類にしか、
類だけにしか、私の心は動かなかったんだ.......
+++++愛莉side end+++++