君の『好き』【完】
揺れる
それから海くんは、本当にいつも一緒にいてくれた。
朝も、休み時間も、お昼休みも。
放課後も、教室で待ってるって言ったら、
嬉しそうに顔を赤くして笑って、
毎日、一緒に帰った。
吉井くんとは.......
夏服から、冬服になり、
少し風が冷たくなってきた頃には、
挨拶するだけの、ただの隣の席の人、
ただ同じクラスの人、
それだけの関係になっていた。
時間が解決してくれる。
本当にそうかもしれない。
あれ以来、急に冷たくなった吉井くん。
もう胸がきゅんきゅんすることも、
ドキドキするもこともない。
ただ時々、
優しかった吉井くんを思い出して、
切なく、悲しい気持ちになっていた。