ツンデレくんをくれ！
ちょうどそのタイミングで、中出が頼んだチョコバナナパフェが来た。


「いいよ、先食べて」


気を使わせないように先手を打つ。


「ん」と頷いて、中出がパフェ用のスプーンを手に取る。


それにしても、


「中出がパフェとか……」


頬が緩んでしまうのを耐え切れなくて、あたしはふふふと笑ってしまった。


愛想の悪い中出が一番上のアイスを掬う姿が何とも可愛くて愛らしい。


「悪いけ？」


むっとする中出は意外にわかりやすい。


「ごめんごめん。そうじゃなくて、意外だったから、いい意味で。甘いもの好き？」

「うん」

「あたしも好き」

「ふうん」


中出が曖昧に頷いて、パフェにぱくついた。


中出が嫌がるかなと思って言わないけど、中出ってけっこう可愛いんだ。


ギャップだ。萌えるわ。


あたしのカレードリアとクラムチャウダーも来て、あたしも食べることに集中した。


「うん、うまっ」


カレーとチーズの風味が想像以上においしくて、一人で笑ってしまう。


しかも中出とパフェの組み合わせが意外にもしっくりきて、あたしはドリアを食べながら中出を観察してニヤニヤしてしまう頬を必死に堪えた。


許されるなら写メを撮りたいくらいだ。


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