ツンデレくんをくれ!
まあ、直接会って話すことは増えた。本当に他愛のないことだけど、話題があったら即中出に振って、中出がそれに答える。


ゼロから始めたあたし達にしてはかなりすごいことだ。


ただ、まあ、LINEの方はさっぱり進展がない。


簡単にうまくいくとは思ってもいなかったけど。


今もそうだ。


送ってから二時間経っても何も返して来ない。


既読がついたから暗黙の了解なんだろうけど。


一言くらい返してくれたっていいじゃんかよー……。


既読無視ってけっこう辛いんだぞ。心折れるんだぞ。


端末室に今いるのはあたしだけだから余計悶々とする。


あたしのわがままなのかな。


男ってみんなそうなのかな。


他に男のサンプルがないあたしにはさっぱりだ。


カタカタとキーボードを打つ音だけが教室に響く。


あー、もう、機械なんて嫌いだ。パソコンなんか嫌いだ。


なんでみんな、キーボードを見ずに文字を打てるんだ。あたしなんていまだに見なきゃ打てないんだぞ。


レポート10枚とか鬼畜だ。ほんとに単位あげる気あんのか、あの教授。


端末室に篭ってから四時間経って、ようやく終わりが見えてきた。


壁の時計を見ると、長針と短針がもう少しで12のところで重なりそうになっていた。


やっぱ午前様かあ……。


まあ、もう少しだから終わらせよう。


ふとスマホを見ると、LINEが一件入っていた。


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