ツンデレくんをくれ!
「今まで授業があるとかなんとか言って逃げられてきたけど、実際あんたさぼっとるもんね。今日こそは逃がさんよ」


そうか、中出、そうやって今まで佐々木さんから逃げてきたのか。


それで佐々木さんも三ヶ月も追い続けてきたのか。


もはや崇拝の域だよ、佐々木さん。


「じゃあ、聞くけど、中出はその彼女のどこがいいんけ?」

「は?」

「私がその子に勝ててないから中出はこうして逃げてるんやろ? 明確な理由が聞けたら、私も諦めるよ」


いつの間にか、二人は傍のテーブルに座っていた。


あたしはそこからは見えない壁の隅っこに隠れて聞き耳を立てた。


ていうか中出、どんだけ逃げてたんだよ。三ヶ月もろくなことも話さずに佐々木さんから逃げてたってわけ?


最悪だな、お前。


でも、何をそんなに佐々木さんを拒み続けるのか、あたしも気になった。


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