ツンデレくんをくれ!
たまにかけるからいいんです
「中出、今日暇?」


土曜日。外は雨が降っていた。


『何時だと思っとんの……。寝かせろ』

「今日部活休みだねー」

『だから寝るんじゃねーかよ。11時に起こすな。死ね』


あたしの着信で起こされたであろう中出はすこぶる機嫌が悪い。


いつも低めの声が寝起きで更に低くなっていて凄みさえある。


「目が覚めちゃってさ。中出、今日バイトは?」

『ねーよ……』

「珍しいね」

『部活の日にまで入れねーよ。用件はそれだけ?』

「暇だね」

『黙れ。俺は眠い』

「中出の家行っていい?」

『いいわけねーだろ。死ね』

「迎えに来てよ。そしたら目も覚めるでしょ」

『絶対やだ。俺は寝る』

「コンビニのスイーツ奢ってあげるけど」

『正門の前のロー○ンで買って待ってて』


そこで電話が一方的に切られた。


あたしは一人でニヤリと笑みを漏らす。


スマホを片手にガッツポーズをした。


よっしゃ。作成大成功。


やっぱりスイーツ好きの中出は意外に単純なのかもしれない。


やった。中出に会えるぞ。


嬉しくなってニヤニヤしながら、あたしはヘアアイロンを手に取った。


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