ツンデレくんをくれ!
うやむやに終わってしまった、あたしが盗み聞きをしていたあの話は、結局佐々木さんが諦める形で終息を迎えたらしい。
あの日以来、佐々木さんはたまに中出に絡むことはあっても、以前のように告白してくることはなくなったという。
三日後に時間があるからと言って佐々木さんと話したものの、佐々木さんはあっけらかんと「中出が、彼女が好きだったらそれでいいよ」と返されて、中出は内心拍子抜けしたらしい(相変わらず無表情で生活しているのだ)。
というわけで、あたし達の関係は刻々と終わりが近づいている。
「まあでも、ほんとに呆気なかったよねえ」
あたしはまた独り言のように呟いて明太マヨフランスパンにかじりついた。
「てか、めんどくさくなった原因が中出って、ほんとばかだよねえ。ちゃーんと断れば済んだ話なのにさ」
「知らなかったの。適当に流せば済むって思ってたし」
「ばかというより、女の子のこと何も知らねえんだろ……」
女の子を好きになったことすらろくにないだろ、こいつ。
「まあ、でも、奈子さんがいたからあっさり終わったとこはあるし」
「そうかな。別に何もしてないけど」
「俺、奈子さんに言われなかったら何も気付かなかったし」
「や、それはあんたが何も知らなさすぎなのが悪いわ」
「感謝は、してます」
「何、急に」
ふと中出を見ると、真面目な顔であたしを見ていた。
「何、どうしたの」
わけわかんないというような顔で笑ってみたけど、内心わかっていた。
もう、終わりなんだ。
あの日以来、佐々木さんはたまに中出に絡むことはあっても、以前のように告白してくることはなくなったという。
三日後に時間があるからと言って佐々木さんと話したものの、佐々木さんはあっけらかんと「中出が、彼女が好きだったらそれでいいよ」と返されて、中出は内心拍子抜けしたらしい(相変わらず無表情で生活しているのだ)。
というわけで、あたし達の関係は刻々と終わりが近づいている。
「まあでも、ほんとに呆気なかったよねえ」
あたしはまた独り言のように呟いて明太マヨフランスパンにかじりついた。
「てか、めんどくさくなった原因が中出って、ほんとばかだよねえ。ちゃーんと断れば済んだ話なのにさ」
「知らなかったの。適当に流せば済むって思ってたし」
「ばかというより、女の子のこと何も知らねえんだろ……」
女の子を好きになったことすらろくにないだろ、こいつ。
「まあ、でも、奈子さんがいたからあっさり終わったとこはあるし」
「そうかな。別に何もしてないけど」
「俺、奈子さんに言われなかったら何も気付かなかったし」
「や、それはあんたが何も知らなさすぎなのが悪いわ」
「感謝は、してます」
「何、急に」
ふと中出を見ると、真面目な顔であたしを見ていた。
「何、どうしたの」
わけわかんないというような顔で笑ってみたけど、内心わかっていた。
もう、終わりなんだ。