ツンデレくんをくれ!
「中出」

「……何」

「抱き着いてもいい?」


嬉しくなっちゃったもんで。


なんだか中出が愛しく感じられちゃったもんで。


「……死ね」


何言っとるんけ。あほか。


そんなことまで追加されそうだったから、あたしはさっさと車から降りた。


外から運転席を覗き込んだら、一瞬目が合ってさっさと行ってしまった。


……照れ屋め。


あいつ、はにかんでたよ。笑ってたよ、ちくしょうめ。


あたしにとって、めったに見れないあいつの笑顔は何にも代えがたい。お金を詰まれたって他人に譲りたくない。


それくらい、あたしはあいつの笑顔が好きだ。


「もう少し言葉を選んで言った方がいいとは思うけどね」


まあ、そんなところも好きだから仕方ないか。






END.


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