凪とスウェル
私と隆治は黙ったまま、次第に明るくなる空を眺めていた。


しばらくすると、水平線に眩しくて丸い太陽が顔を出した。


「わぁ…」


あまりに綺麗で、思わず声を上げた。


「ねぇ、太陽の動きってこんな速いの?」


思っていたよりもあっと言う間に昇っていく朝日に、あたしは本気で驚いていた。


「普段あんま思わないけど、こうして見てると太陽って結構動くの速いよな」


「こ、こうしちゃいられないわ。お願い事しなくちゃ」


あたしが慌てて両手を合わせると、隆治が隣でクスッと笑った。



あたしは心の中で祈った。



来年も、再来年も。



ずっと、ずっとこうして。



隆治と初日の出が見られますようにと…。
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