凪とスウェル
手を合わせたままこっそり隆治の横顔を盗み見てみると、隆治は朝日を見ながら眩しそうに目を細めていた。


気がつけば太陽はすっかり昇っていて、辺りを明るく照らしていた。


「お願い事、した?」


なんとなく聞いてみる。


「あー、まぁな」


「うそっ。マジで?

隆治もしたんだ!

何お願いしたの?」


さっきあたしのことバカにしてたくせに、ちゃっかりお願い事してるんじゃん!


「そんなのお前に言うわけないだろ?

お前こそ、何の願い事したんだよ」


隆治に聞かれて、ドキッと心臓が跳ねる。


「そ、そんなの秘密よ」


い、言えるわけないじゃん!


恥ずかしい…。


「だろ?そんなのはお互い秘密だ」


「…だね」


隆治のお願い事って何なんだろう?


ちょっぴり気にはなるけど…。
< 135 / 733 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop