凪とスウェル
「はぁぁっ?」


思わず大きな声を張り上げてしまう。


「おまっ、そんな驚くことかよ」


隆治は呆れた顔で言った。


「え、だって!今時、携帯持ってない人がいるの?」


「別に無くても生きていけるだろ?」


「いやいや。あんた、かなり珍しいと思うわよ?」


隆治って、こういうとこがちょっと変わってる気がする…。


「んー。なんつーかさ。

じーちゃんに携帯買ってくれって、ちょっと言えねぇんだよな…」


ボソッと呟くように言う隆治。


「あー…」


なる、ほど…。


そういうことか。


隆治はおじいちゃんに対して、遠慮があるんだ…。


そうだよね…。


親になら言えても、おじいちゃんには言えないことってあるよね…。


「ごめ、ん…」


思わず視線を下げると。


「なんであやまる?」


隆治はクスッと笑った。
< 138 / 733 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop