凪とスウェル
帰り道、あたしは胸がドキドキしっぱなしだった。


桟橋にいたあの綺麗な女性が、隆治のお母さんだったこと。


隆治のご両親は亡くなったんじゃなくて、生きていたっていうこと。


お母さんの再婚を機にこの島に連れて来られて…。


あぁ。


隆治が今までどんな思いで、この島で暮らして来たか。


それを思うと、涙が出て来る…。


ごめんね。


思わず、キスしちゃったよ。


だって、消えてなんか欲しくなかったんだもの。


好きって思いが、どうしようもなく溢れちゃったんだもの。
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