凪とスウェル
「はいっ」


やばっ。声が裏返った。


『よう』


「ども」


『何してた?』


「今?ご飯食べてた」


『えっ、もう食ってんの?早くね?』


「ウチはいつもこの時間だよ」


『ふぅん…』


隆治の声って、電話だとちょっと低いよね。


耳元で話してるみたいで、なんだかドキドキする。


『あのさー、明日ヒマ?』


「明日?」


そんなこと聞くなんて。


ま、まさか会おうとか?


どうしよう。嬉しいんだけど。


「んー、どうかな~?果樹園の手伝いがなければ大丈夫だけどー」


ガツガツ食いつきたい気持ちを抑えて、そんな嘘を言ってみる。


『あー、マジ?予定がなければさ、無人島に連れて行ってやろうかと思ったんだけど』
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