凪とスウェル
次の日の朝、果樹園の手伝いを終えると、あたしは隆治の家へと向かった。


店の前に着くと、白いトラックが一台停まっていた。


その影から、隆治と男性が一人出て来る。


ん?あれは誰なんだろう?


「おっ、来たな」


隆治がニヤッと笑う。


「おはよ。このトラック何?」


「カヤック積んでるんだ」


「カヤック?」


カヤックって何だっけ?


「おはよ。初めまして。木下と言います。

キミがすずちゃんかぁ。隆治から話はよく聞いてるよ」


爽やかな好青年といった感じのその人は、歳は20代前半くらいだろうか?


「前に話したよな?役所に勤めてる近所の兄ちゃん」


あっ、わかった。


隆治に島での楽しみ方を教えてくれたっていう人だ。


この人がそうなのかぁ。
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