凪とスウェル
「隆治、アンタまだ配達あるんねぇ?」


「あー、あと2軒かな?」


「ほんじゃったらねぇ、終わったらすずと遊んでやってくれんかねぇ?」


「はぁっ?」


おばあちゃんがとんでもない事を言うから、あたしは思わず声を張り上げてしまった。


「学校が休みじゃいうても、遊ぶところもないじゃろう?

連れがおりゃ、それなりに楽しいじゃろうし。

今日は果樹園の手伝いもさせとるんよ。

お願い出来んかねぇ?」


「お、おばあちゃん!」


そんなの八神が応じるわけないじゃん!


コイツ、あたしにひどい態度なんだから。


「あぁ、いいよ」


「へっ?」


「配達終わったら、迎えに来る」


う、うそ!


あんた、本気?


「じゃあ、頼んだよ。あ、これ代金ね」


「ちょうどだね。毎度ー。

じゃああとでな。す・ず!」


そう言って八神は立ち上がり、行ってしまった。


アイツ、あたしを呼び捨てにしやがった!


「良かったねぇ、すず。これで退屈しのぎになるじゃろ?」


いやいや。


全然良くありませんからーーー!
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