凪とスウェル
おばあちゃんの突拍子もない提案で、あたしは八神と一緒に出かけることになってしまった。


待っている間なんだか落ち着かなくて、ワケもなく家中をウロウロと歩き回ってしまった。


配達に時間がかかるのか八神はすぐには現れなくて、ようやく顔を出したのは15時を過ぎた頃だった。


「よう」


縁側にいたあたしに声をかける八神。


「ども」


「じゃあ、行く?」


「う、うん…」


ぎこちなく頷き、あたしは玄関にまわり靴を履いた。


「行ってきまーす」


あたしがそう言うと、おばあちゃんが台所から顔を出して嬉しそうに手を振った。
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