凪とスウェル
千春さんの大学が夏休みに入ってしばらく経った頃、4人で遊園地に行くことになってしまった。


なんだか複雑な心境のまま当日を迎えると、なんと片岡も千春さんも突如来れなくなり。


俺はすずと二人きりになってしまった。


最初は緊張していた俺だったけど、遊園地の雰囲気がそうさせてしまうのか。


次第に緊張もほぐれていって、気がつけば昔のようにすずに接している自分に気づいていた。


遊園地なんて生まれてこの方ほとんど来たことがないし、絶叫マシーンなんて初めてのことで本気で怖がっていたら。


すずはそんな俺の様子を見ながら、クスクスと笑っていて。


コイツ後で覚えておけと、お化け屋敷ですずを驚かせた。


久しぶりにすずと言い合いをして、おなかの底から笑っていたら。


どうしようもなくなつかしくて、この時間がいとおしくてたまらなかった。


すずもなんだか元気そうで、そんなすずを見ているのが嬉しくて仕方がなかった。
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