凪とスウェル
順番にシャワーを浴びて、歯磨きを終えると。


隆治が布団を敷いてくれた。


段ボールが落ちてこないように、部屋の隅に寄せて。


部屋の電気を消すと、二人で布団に横になった。


「わ、この布団すごく冷たい。寒いね」


あまりにひんやりしていて、布団に入らない方がまだ暖かいじゃないかと思うくらいだ。


「フローリングに直接布団敷くと、こんな感じなのかな?

もうちょっとこっちに来ていいよ」


そう言われて、布団の中央にずりずりと寄ると、隆治の足とあたしの足がぶつかった。


「つめたっ!すずの足、すげぇ冷たい。

さっきシャワー浴びたのに、もうこんなに冷えてるのか?」


「隆治はすごくあったかいね」


そう言うと隆治はクスッと笑って、あたしの足を自分の両足で挟んだ。


じんわりと、隆治の温もりが伝わってくる。


「あったかーい。なんか隆治の足ってコタツみたい」


「お前は冷蔵庫みたいだな」


「えー?何それー。まるであたしが冷たい人みたいじゃん」


あたしの言葉に、隆治がクスクスと笑った。
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