凪とスウェル
一人暮らしってこんな感じなのかな?


まだ物が置かれてないせいか、この部屋、殺風景ですごく寂しい。


こんななか毎日一人で寝るなんて、余計に寂しいだろうに…。


「すず。こうしてると俺、すげーホッとする…」


「うん。あたしも…」


「毎晩こうしていられたらいいのに…」


そう言って隆治が、ぎゅっとあたしを抱き寄せる。


あたしもぎゅっとしがみついた。


「ねぇ、隆治」


「ん?」


「あたし、もう二度と隆治と離れたくないよ…。

ねぇ、もう本当にどうにもならないのかな?

千春ちゃんやご両親に、あたしとのこと正直に話してみるとか…」


「え…?」


「隆治、ホントに千春ちゃんと結婚するの…?

あたしは…、あたしはどうなるの?

こうやって、コソコソ会う関係でいなきゃダメなの…?」


いつかの時代の側室や、愛人みたいな関係はいやだよ。


さっきみたいに、隆治と手を繋いで。


堂々とデートしたいもん…。
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