凪とスウェル
「アンタが浮気男や五十嵐みたいな軽い男が嫌いなのって、やっぱお父さんの影響もあったりするのか？」


「えっ？」


どうだろう？


そう…なのかな。


まぁ確かに、浮気した父親に対する嫌悪感はあったもんね。


だから、お母さんに付いたわけだし。


「まぁ…、そうかもね」


思わず、苦笑いをしてしまった。


「でも…、いいじゃん。

アンタには、あんな良いばあちゃんがいるし、母親もいるんだろう？」


「……うん」


確かにあの二人がいるから、そんなに寂しいとは思わないし。


「俺もあんたほどじゃないけど、最初ここに来た時は戸惑ったんだ。

何もないような気がして。

でもさ、絶対楽しいことがあるはずだって思って、諦めずに探したんだ…」


「そう…だったんだね…」


知らなかったな…。


八神もあたしと同じ思いをしていたなんて。
< 65 / 733 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop