凪とスウェル
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なんだろう。


さっきより随分、喉がラクだ。


部屋がぽかぽかして、あったかいし。


それにさっきから、なんかやけにいい匂いがするんだ。


ネギとかしょうがっぽいな。


味噌の香りもする。


ゆっくり瞼を上げると、額にタオルが乗せてあった。


チラリ視線を横に向けると、母親がテーブルに何か運んで来ていた。


「あ、隆治。目が覚めた?」


「来てたんだ…」


いつの間に来てたんだろう。


全然気づかなかった。


「隆治。あなた40度近い熱があったわよ」


「えっ?そんなにある?」


「ビックリしたわ。インフルエンザかしらね?」


「さぁ…。わかんねーけど…」


「食欲ある?おかゆとお味噌汁作ったんだけど…」


食欲なんてない気がしたけど。


でも、そのおいしそうな匂いがやけに鼻をくすぐるから。


俺は「食う」と言って、母親が作った料理を食べることにした。
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