凪とスウェル
「ね、ねぇ八神」


思い切って声をかけてみる。


「なに?」


あっさりこっちを見る八神。


その反応に、ちょっとビックリしてしまう。


「この島からさ、あたし達と同じ高校に通ってる子って他にもいるの?」


八神が話す唯一の女子。


あたしは遠まわしにその子の存在を聞き出そうとしていた。


我ながらうまい聞き方だと思った。


「あー、いるよ。3年に2人と、2年に1人と、1年に2人かな?」


「へ、へぇー。わりといるんだね」


しまった!


これじゃ余計に特定出来なくなっちゃったじゃない。


こんなことなら、ストレートに聞いた方がよかったじゃん!
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