凪とスウェル
「あー…、この密着感はやべぇな」


「やだっ。だから言ったじゃん。危険だって!」


「せめてこれくらい許してくれたっていいだろう?

今日はこれで耐えるからさー。

この感じを覚えておいて、今夜はそれをおかずに…」


「ストーップ!

お願い。もうそれ以上言わないで!」


顔から火が出そうじゃん!


「うそうそ。冗談。

ごめん。

だから…、ん」


そう言って隆治が口を尖らせる。


キスのおねだりかなと察したあたしは、戸惑いつつ隆治に唇を寄せた。


軽く触れていると、突然隆治があたしの後頭部をぐっと引き寄せた。


「んんっ。んーっ!」


軽いキスのつもりが、隆治があたしの唇を割って入って来た。


隆治の熱い舌が絡みつき、激しく唇を重ねられる。


こ、こんなの…。


あたしだってマズイのに!


そうこうしているうちに、いつの間にか隆治の右手が、あたしの太ももの上に置かれていた。


その手はゆっくりと、あたしのスカートの中に忍び込もうとする。


あたしはその手をベシッと強く叩いた。


それに怯んだ隆治は、キスをしたまま、しぶしぶ手を引っ込めていた。
< 719 / 733 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop