恋に堕ちたら
◇◇◇
社に着くと既に何人かの人達がもうフロアにいて、私も挨拶を交わしながら自席へと向かった。
それは、彼も佐藤さんも一緒に。
なんともここに来るまで気まずい雰囲気だった。
気恥ずかしいと言うかなんと言うか。
たぶん佐藤さんも私と同じだったのだろう。
そんな気まずさを引き摺ったまま始業時間となり、朝礼で佐藤さんを紹介。
その頃には仕事モードに入ったのか佐藤さんは至って普通に私に接してくれた。
ーーあーあ、助かった!!
このまま一日気まずい雰囲気だったらどうしょうかと思っていたけど、それだけはま逃れた。
私はそんな思いからかまた自然とため息を吐いていた。
「またため息。ため息吐いたら幸せが逃げますよ。ってさっきも言いましたけど!!」
「………」