電車のカレ



私の周囲に少しの空間ができた。


圧迫感がなくなる。


その変わりに私を覆うように影ができた。


何が起きたのかと、恐る恐る顔を上げる。



「…っ!?」



な、なんで…彼が…


私を人波から守るようにして立つ目の前の人物。


その人は、毎朝私が見ていた彼で。


いわゆる、壁ドンという形で私の体を包んでいた。



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