如月魔法学園 津瀬部!
-龍樹side-

「…っ!」

コイツ…半端なく強ぇ。

今だって気を抜いた瞬間に、縛られてしまった。

今は麗華との勝負の最中。

認めたくはないけど、コイツ、俺より頭も良いし、魔法だって…。
俺より扱いが旨い。

あ?なんで“地味ブス子”じゃなくて“麗華”って呼んでるのかって?

……あ、あれだよ。
その…れ、麗華の素顔…流石に、ブスだなんて…っ!言えねぇだろうがっ…!

その話はさておきっ…。
今回は麗華が“あの”“津瀬 麗華”という事を知らなかったから勝負を挑んだけど…。

コイツ…半端無く強ぇわ。

前なら、絶対的な自信を持って、

「俺が一番強い。」

って言えたけどな。

コイツ相手に戦って、勝てる気がしねぇ。
麗華だって、経験が豊富な訳じゃない。

今まで、公の場に一回しか出たことがなかった麗華が強いって言われてたのには理由があった。

“普通”ならば、津瀬本家のような大きい家で…しかも、たった一人の跡取りなら、直ぐにお披露目されて、それからはちょくちょく、公の場に出るようになる……。

が、麗華は違った。
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