彼と私~First:世界で一番の魔法~
1

運命の日

雲一つない澄み渡った青空からさんさんと照り付ける陽光が、うだる暑さを引き起こす。


夏休みと言えども、この異例の暑さには何処かに行く気力すら吸い取られてしまう。


そんな時はひんやりとしたフローリングに身体を預け、手足を伸ばすのが得策というものだ。


「はぁ~……気持ち良い」


身体に溜まった熱が引いて、暑さにやられてぼんやりしていた頭がはっきりしてくる。


そういえば、宿題で作文が出てたっけ。


テーマは『世界について』なんて漠然としたもの。


面倒臭いなぁ。


とは思いつつも早く済ませてしまおうと重い身体を起き上がらせ、机に向かった。
< 1 / 10 >

この作品をシェア

pagetop