こちら、なんでも屋でございます【3】



「兄さん!!!落ち着いて!!!」



いつの間にか俺の目の前には沙羅がいて、セシルが俺の拳を握っていた。


拳はもう、血でベトベトしていた。




「落ち着いて、綺羅。」
「……ッ」



奥では泣きながらうずくまっている早苗さんの姿。



目の前には虫の息のレイン。



気絶寸前の斎藤なつめ。




ゆっくり呼吸を整え




「殺せ」





腹のそこからでたその言葉は自分でも驚く程に冷静だった。







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