こちら、なんでも屋でございます【3】
「人間を殺すのは致し方ないよ兄さん」
「知らねぇよ、とっとと殺せ。こんなやつ死んだほうがこの世の為だろう」
淡々と出てくるその言葉はなんだか自分じゃない気がした。
「その前に兄さん、僕は早苗さんにホントのお話をしてくるね」
「あぁ」
「綺羅、レインを運ぼう」
「うん…」
沙羅はそのままうずくまった早苗さんにかけよっていった。
俺とボロボロになったレインを抱きかかえた。
もう死んでるんじゃないかって一瞬思った。
でも、違った。
彼女はまだ生きてて、俺を虚ろな瞳で見つめて
「……き、ら………」
名前を呼んだ。