【BL】意地っ張りな恋人くん
むかつくぐらい意地っ張り、憎たらしいぐらい好きなんだ
会社の飲み会帰り、少し飲みすぎたなと思いながら家のドアを開ける。
「………遅かったな。」
俺を出迎えたのは、仁王立ちした青年。
それはそれは鬼のような形相でのお出迎えだった。
「………た、ただいま」
恐る恐る言う俺を、さらに睨み付けてくる。
「こんな時間まで何してた?」
「あれー?言わなかったかなぁ……今日会社の飲み会だって……」
「こんな時間まで?」
「だから店が遠いから遅くなるって昨日――」
「ふんっ」
俺が言い終える前に、踵を返し中へと入っていく。
この青年――守口 出海(モリグチ イズミ)は8つ年下の幼馴染みで、つい先日俺の恋人になってしまった。
誤解しないでほしい。
俺は決して男好きという訳じゃない。
あくまで出海限定だ。
ええっと、何て言うのか……。
まぁ、色々あって、振り回されて……ああ、ダメだ。
そんなこと言ったら、またアイツ泣くし。
強気でいて、実は脆い。
そんなところが、まぁ可愛いとか思ってしまったり……。
やれやれと、俺も靴を脱ぎ部屋の奥へと向かう。
「出海ちゃん、機嫌直してよー。」
「ちゃん付けすんな!おっさんのくせに。」
「だーれがおっさんだ。まだ28だぞ。 」
「へぇー、俺は20だけど。」