【BL】意地っ張りな恋人くん
あれから出海は顔を出さなくなった。
携帯に連絡しても繋がらない。
ここ何日か毎日今日は出海が来ているんじゃないかと、急いで帰る。
でも家の電気は点いていない。
「………今日も来ない、か。」
試しに携帯に連絡を入れてみるものの、留守電に切り替わる。
メッセージを残さず通話を切り、携帯をソファに投げ捨てる。
もし、電話が繋がって、俺はアイツに何を言うつもりなんだろうか?
会いたい?
お前がいなくて寂しい?
だめだ、これじゃまるで……。
気晴らしに晩飯買いに行こう。
別に気にすることはない。
出海にだって友人がいるんだ。
きっとその子達と遊んでいるんだろう。
悪いことじゃない、アイツもまだ大学生なんだし当たり前のことだ。
むしろ良いことで、俺みたいなやつの家に転がり込んでいるよりは、よっぽど健全だろう。
これを機に、俺離れをしてくれれば……。
そんなことを考えて辿り着いた先は近所のコンビニ。
ではなくて、実家の目の前。
当然隣に聳え立つのは、出海の家だ。
………俺って奴は。