ワーキングガールズ・クリスマス
Episode1:会社員、舞の場合
キラキラ光る、イルミネーション。
クリスマスソングの流れる賑やかな街。
冷たい風が吹く中を寄り添い合いながら歩くカップル。
今日は間違いなくクリスマスイブ、12月24日だというのに。
「はあっ…はあっ…はあっ…」
どうして私は、大汗をかいて、髪を振り乱し、走っているのだろう!
ーあんのクソハゲ親父っ!!ー
人混みを掻き分けて謝りながら、心の中で悪態をつく。
恐らく会社のエントランスは開いていないだろうと予測して、私は裏口から入った。
思った通り、従業員入り口では警備員が帰り支度をしていて、この分では社内の施錠は終わったな、と思いながら声をかける。
「すいません!
ちょっと中入らせて下さいっ!」
私の声に振り向いたのは馴染みのおじさんで、声の主が私だと分かるとにこり、と笑ってどうぞと言ってくれた。
何も聞かずに理解してくれるところが有難い。
ここの鍵はオートロックだから、私を待たずとも彼は帰れるだろう。
エレベーターに飛び乗って、腕時計をみる。
19:46。
やばい、物凄くやばい。
自分の職場が15階であることに悪態をつきながら早く着け、早く着け、とエレベーターに祈る。
ようやくアナウンスが到着を告げ、扉が開くか開かないかのうちに私は箱を飛び出して。
『営業課』とプレートのついた部屋へと駆け込んだーーーーー
クリスマスソングの流れる賑やかな街。
冷たい風が吹く中を寄り添い合いながら歩くカップル。
今日は間違いなくクリスマスイブ、12月24日だというのに。
「はあっ…はあっ…はあっ…」
どうして私は、大汗をかいて、髪を振り乱し、走っているのだろう!
ーあんのクソハゲ親父っ!!ー
人混みを掻き分けて謝りながら、心の中で悪態をつく。
恐らく会社のエントランスは開いていないだろうと予測して、私は裏口から入った。
思った通り、従業員入り口では警備員が帰り支度をしていて、この分では社内の施錠は終わったな、と思いながら声をかける。
「すいません!
ちょっと中入らせて下さいっ!」
私の声に振り向いたのは馴染みのおじさんで、声の主が私だと分かるとにこり、と笑ってどうぞと言ってくれた。
何も聞かずに理解してくれるところが有難い。
ここの鍵はオートロックだから、私を待たずとも彼は帰れるだろう。
エレベーターに飛び乗って、腕時計をみる。
19:46。
やばい、物凄くやばい。
自分の職場が15階であることに悪態をつきながら早く着け、早く着け、とエレベーターに祈る。
ようやくアナウンスが到着を告げ、扉が開くか開かないかのうちに私は箱を飛び出して。
『営業課』とプレートのついた部屋へと駆け込んだーーーーー
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