ワーキングガールズ・クリスマス
ーどうしてちいくんが泣きながらパパの携帯で電話してくるの?ー


ちいくんはまだ5歳だけど、賢い子だからイタズラなんかしない。


それに泣きじゃくっているなんて変だ。


「ちいくん?パパは?
どうしてちいくんが先生にお電話してくれたの?」


何かがおかしい、胸がどくんと脈打つのを感じながらも、あたしは努めて冷静に優しくちいくんに問いかける。


『パパ……パパが……
せんせえパパをたすけてっ!!』


詳しい説明なんてなくても、あたしにはその一言で十分だった。


ー千秋さんを、千冬くんを助けなきゃ。ー


もうそれだけしか頭にはなくて。


気がつくと一心不乱にタクシーに乗り込んでいたーーー


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