ワーキングガールズ・クリスマス
ーーピンポーン


『……やよいせんせい?』


「うん、先生だよ。開けられる?」


『うん……ぼくできるよ……』


あの電話から一時間後、マッハの勢いで駆けつけたあたしは、千秋さんとちいくんの住むマンションまでやって来た。


エントランスで息を切らしてチャイムを鳴らすと、ちいくんが出てくれて入り口のロックが解除された。


もうエレベーターを待つことすらもどかしくて、5階まで階段で駆け上がる。


26歳の女が年甲斐もなく。


だけど今はそんなことどうだってよかった。


「はあっ……はあっ……」



< 22 / 37 >

この作品をシェア

pagetop