first kiss …parallel world.
そっと身体を離し、愛にキスをする。
どんなに激しく唇を重ねても 愛は応えてくれた。
「…あのね、」
キスの合間に愛が遠慮がちに言う。
「お父さん、今日帰り遅いの」
「…」
「でも未来、病み上がりだもんね」
畳み掛けようとする愛に俺は
「こらこらこら。俺の返事を聞きなさい」
と笑った。
「俺は今までめちゃくちゃ我慢してた。
愛がそう思ってくれるようになるまで待とうと思った。
…もう待たなくていいの?」
愛は無言で頷き、俺の首にぎゅっと腕を回す。
…ちょ、待って!
可愛すぎる、反則だからそれっ
内心悶絶しながら愛をゆっくりと床に横たえる。
俺は今この瞬間、この世の誰よりも幸せな人間だった。
END