first kiss …parallel world.
悠成はいつになく優しい顔をしている。
だから思わず、涙腺が緩んだ。
「ゆ、悠成ー…」
「あーもう、何泣いてんの。来いよ」
悠成の腕が伸び、私をしっかりと抱き締める。
さっきの未来の、生気の薄いような冷たい体とは違い温かい体温だ。
「未来がね…帰っちゃったの」
「そっか」
「あたしふられちゃったの」
「そっか」
飴玉をとられた子供のように延々と泣き続ける私を
悠成は頭を撫でながら受け止めてくれた。