あなたに虜
冷めた目で私を見下ろす
やっぱり彼だ



「久しぶり。」




この低い声で名前を呼んでもらうのが 嬉しかったな~
思い出にふけってる場合じゃない



「元気だった?」




「それなりに。」




会話が続かない
話したいのに言葉が出て来ない



動揺している私 落ち着かせるためお酒を飲む
まだまだお酒が足らない




「強くなったんだな 酒。」





昔の私は ほとんど飲めなかった
でも 一樹と別れてから お酒に頼るようになった



一瞬でも忘れるために
目が覚めて 現実に戻るけど その場だけでも逃げたかった




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