やくたたずの恋
「こっ……この、どスケベ! 変態! くそオヤジ!」
「おー。そう思うんなら、どスケベで変態なくそオヤジのいるここには、もう二度と来るな! 分かったな!」
 まったくだ! 二度と来るもんか!
 雛子は恭平に返事もせず、ふん、と鼻息を荒くして、そのまま部屋を飛び出してしまった。
『Office Camellia』で一か月間働く、と誓った雛子の言葉。それは、一瞬で燃え上がった怒りの炎の前では、あっという間に哀れな灰となってしまっていた。
< 161 / 464 >

この作品をシェア

pagetop