やくたたずの恋
昨日、雛子が泣き叫んだ時だって、彼女を雛子の姿として見ることはできなかった。あれは、志帆だった。恭平の中では、間違いなく志帆だったのだ。
「そういえば、あのヒヨコちゃん、ちゃんとお仕事できたの?」
悦子の声に、恭平は視線を前へと戻して頷く。
「ああ、大丈夫だ。敦也からも無事に終了したって連絡があったしな。だけど、もう来ないと思うぜ、あのお嬢ちゃんは」
「……え? 何で?」
「俺が、『二度と来るな』って言ったから」
恭平は窓を2センチほど開けると、煙草を取り出し、火を点ける。
「そういえば、あのヒヨコちゃん、ちゃんとお仕事できたの?」
悦子の声に、恭平は視線を前へと戻して頷く。
「ああ、大丈夫だ。敦也からも無事に終了したって連絡があったしな。だけど、もう来ないと思うぜ、あのお嬢ちゃんは」
「……え? 何で?」
「俺が、『二度と来るな』って言ったから」
恭平は窓を2センチほど開けると、煙草を取り出し、火を点ける。