やくたたずの恋
 その姿は、昨日あれだけ大泣きしたとは思えないほどの輝きを放っていた。キラキラ。ピカピカ。漫画のように、文字としてはっきり見えるほどだ。
 これが若さなのだろうか。それとも、このヒヨコが放つ「貧乳ビーム」なのだろうか。
 恭平はその眩しさに耐えようと目を押さえ、体をふらつかせる。
「お嬢ちゃん、俺が昨日話したこと、忘れたのかよ……」
「忘れてませんよ! ちゃんと覚えてます! 恭平さんには『二度と来るな』って言われましたけど、来たんです!」
 雛子は背伸びをして、恭平の視線に合わせる。
< 173 / 464 >

この作品をシェア

pagetop