やくたたずの恋
「ヒヨコのことが心配で仕方ない」。恭平の顔には、そう書いてある。バカか、この男は。自分の判断であのセクハラキングの下に雛子を派遣しておきながら、このザマァだ。
悦子が雛子をパーティー会場へと送り届けてから、既に3時間が過ぎている。湯川とのレンタル契約は4時間の予定なので、もうすぐ帰っては来るだろう。
「ヒヨコちゃんがそんなに心配なら、自分で迎えにいけばいいじゃない」
「うるせぇ! 黙ってろ、デカ乳女!」
完全に八つ当たりだ。みっともない。
それは、かつての恭平の姿に似ていた。志帆とあの男に対して恭平が見せた、嫉妬と怒り。あの感情が迸った瞬間を切り取り、今の恭平に張りつけたとしか思えない状況だ。
悦子が雛子をパーティー会場へと送り届けてから、既に3時間が過ぎている。湯川とのレンタル契約は4時間の予定なので、もうすぐ帰っては来るだろう。
「ヒヨコちゃんがそんなに心配なら、自分で迎えにいけばいいじゃない」
「うるせぇ! 黙ってろ、デカ乳女!」
完全に八つ当たりだ。みっともない。
それは、かつての恭平の姿に似ていた。志帆とあの男に対して恭平が見せた、嫉妬と怒り。あの感情が迸った瞬間を切り取り、今の恭平に張りつけたとしか思えない状況だ。