やくたたずの恋
人の楽しそうな姿を見るのは、嬉しいことだ。しかも自分の話で笑ってくれているとなれば、喜びは何倍にもなる。自分が種まき、水をやって育てた植物が、芽吹いて成長する。そんな感覚を味わえる上に、自分が「役立たず」ではないような気にもさせてくれるのだ。
「ですから、星野さんも、車椅子でダンスを踊れるほどになりますよ! 志帆さんと一緒に踊れば、素敵だと思いますよ!」
「ふふ。そうだねぇ。ありがとう」
老人の割に眼光の鋭い星野が、心からの喜びで、自然と目尻を垂れ下げていく。
窓を覆うドレープカーテンから差し込む日差しが、少し緩む。白んでいた部屋が、カスタードクリームを混ぜた色に変わっていく中で、星野はじっと雛子を見つめていた。
「似ているなぁ」
「え? 私がですか?」
「そう。君は、志帆の若い頃にとても似ているよ。私と結婚した頃の志帆に、そっくりだ。明るくて、素直で、一瞬で人を和ませてくれるところが、懐かしいほどに似ているよ」
「ですから、星野さんも、車椅子でダンスを踊れるほどになりますよ! 志帆さんと一緒に踊れば、素敵だと思いますよ!」
「ふふ。そうだねぇ。ありがとう」
老人の割に眼光の鋭い星野が、心からの喜びで、自然と目尻を垂れ下げていく。
窓を覆うドレープカーテンから差し込む日差しが、少し緩む。白んでいた部屋が、カスタードクリームを混ぜた色に変わっていく中で、星野はじっと雛子を見つめていた。
「似ているなぁ」
「え? 私がですか?」
「そう。君は、志帆の若い頃にとても似ているよ。私と結婚した頃の志帆に、そっくりだ。明るくて、素直で、一瞬で人を和ませてくれるところが、懐かしいほどに似ているよ」